縁があって、キャッテリーできょうだいたちと共に1歳ちかくまで育ったタイタンを我が家に迎えることになったのは2003年1月のことでした。
私は大きなキャリーバックを抱え2年ぶりに新幹線に乗り東京に向かったのです。

ブリーダーさん宅のリビングにタイタンはいました。
大きな瞳にまんまるのかわいい系の顔をした、グレーの毛並みが美しい大きな男の子でした。
もう去勢手術も終わっていたので、男の子部屋から出して貰っていたようでした。
リビングには、ちょうど子育てをしていたタイタンの実のママ、ロビンちゃんとその仔猫達、タイタンにとっては親戚筋にあたる仔猫たちがいて、タイタンはその子たちに囲まれ楽しそうにしていました。
タイタンは自分が遊んでいるおもちゃを仔猫が欲しがれば譲ってやる優しい猫でした。

やがてタイタンは私の大きなキャリーバックに入れられ、新幹線に乗りました。
初めての長時間長距離の移動が苦痛であってはいけないと、できるだけ乗車時間が短い方がいいだろうと思い「のぞみ」に乗ることにしました。
運良く私の隣の席が空いていたので、タイタンのキャリーバックを隣に置き、ずっとタイタンに話し掛けました。
「タイタン、怖くないよ。ママがいるから大丈夫だよ。」


夜遅く新しい家についたタイタンは低姿勢で家の中をパトロールしていましたが、まったく知らない家に緊張したのか 、私が用意したご飯も食べず、トイレにも行かずリビングの端に置いてある仕事用机の下に入っていってしまった。(後に“タイタンの引きこもりスペース”と呼ばれる)
冷たいフローリングの上でじっとしているタイタンはかわいそうでしたが、無理やり引きづり出すのはもっとかわいそうなのでそっとしたまま私は隣の部屋で寝ました。・・・タイタンが入ってきてもいいように少しドアをあけたまま。
  
 
夜中の3時頃だったでしょう「おう、おう」という声が聞こえました。私は回転してない頭で「あれ?オットセイがいる?」と思いました。
ふと頭をあげるとだるまのような体形の動物が私の近くにいました。
それは心細くなったからか、引きこもりスペースから出てきたタイタンでした。驚かせてはいけないと思い、私は小さな声で「何も怖くないからゆっくり寝なさいよ。」と言い、そのままタイタンをそっとしておきました。


翌日の朝、タイタンは「あう」と小さく鳴いて私を起こしにやって来ました。
お腹がすいたのだろうと思い、缶詰を1缶あげるとモリモリと食べ出しました。
食事の後にトイレにも行きました。よかった・・・と私は胸をなでおろしました。

それから1週間後、タイタンは元来の人なつこい性格のせいか私にもすぐになつき、新しいママと認めてくれたようでした。
ただ1つ心配なことは、1歳近くまできょうだいたちと楽しく暮してた子が、1にゃん(すごい猫好きは猫を数える時1にゃん、2にゃん・・と数えるのであります。)でいてさみしくないかということでした。
私だって1日中家にいれる訳ではありません。

実際、私が出かけるとき、タイタンがとても悲しそうな顔をしているように見えました。
タイタンの為に何とかしなければ・・・と私は真剣に考え出しました。
 

  
 
私は「タイタンには猫のお友達が必要なのでは?」と考えるようになりました。
でも、タイタンは仔猫におもちゃを譲ってやるような優しい子だから、タイタンより強気な猫が来たら居心地が悪くなるかもしれません。
そんな時、私はキャッテリーにいた仔猫を思い出しました。
「あの仔猫たちの誰かを迎えたらどうかな?タイタンの実のお母さんの仔猫だったら、(キャッテリーでも顔見知りだった訳だから)仲良く出来るに違いない。」と思いました。

早速ブリーダーさんに連絡をしてみました。するとタイタンの実の妹が1にゃん養子先が決まっていないことがわかりました。私はすぐその子を迎えることにしました。
いろいろ考えた末、その仔猫の名前は「Tiffany(ティファニー)」にすることにしました。
シャルトリューという猫は誕生年ごとに決められたアルファベットの一字で始まる名前が付けられる傾向があり、2002年度生まれは「T」だったからです。
タイタンも2002年度生まれなので「T」のつく名前がついています。彼の名前はブリーダーさんがつけて下さいました。

そして、タイタンが我が家の子になった17日後にティファニーはやって来ました。
ちょうど身内の者が東京から関西に帰ってくる用事があったので、ティファニーを一緒につれてきて貰ったのでした。


ティファニーに対面して私が最初に思ったことは「似てない。」でした。
そう、ティファニーはタイタンと実の兄妹なのに顔立ちがまったく似ていなかったのです。
まだ3ヶ月弱なので体が小さいのは当然なのですが、顔がやけに大人っぽく整っていたのです。
輪郭のはっきりした小さな顔に、意志の強そうな目にやたら通っている鼻筋、バランスよくついた耳。
タイタンがかわいい系甘えん坊顔なのにティファニーは美人顔だったのです。

その美人系幼児のティファニーを一目見たタイタンは・・・・・・・
逃げました。
ティファニーを怖がって、例の引きこもりスペースに逃げ込んだのだのでした。
私は困ってしまい、ブリーダーさんに電話しました。しかし心配するようなことは何もなく、大人の猫が仔猫を怖がることはよくあることで、すぐに仔猫にも慣れるとの教えてくださいました。

 

そんなタイタンのことも気にせず、美人系幼児ティファニーは興味深げに家の中を探検し始めました。
そして我が家に到着して20分も経たないうちに、タイタンのキャットタワーによじ登り、キャットタワーに付いているおもちゃで楽しそうに遊び始めたのです。
生まれて初めて長時間新幹線に乗って移動して知らない家に来たのに、すっかりリラックスしているティファニーには驚きました。
ほんとに仔猫の環境に対する順応力にはすごいです。

ひきこもりスペースにいるタイタンもティファニーの行動が気になるのか、いつの間にか彼女の近くに忍び寄り様子を見ていました。
人間にも猫にも慣れていると思われるティファニーはタイタンに近づいて行きます。タイタンも逃げ腰ながらティファニーのおしりのにおいをかいであいさつをしていました。

その夜は兄妹水入らずにして、私は休むことにしました。

翌朝、私が兄妹だけにした部屋に行こうとすると、タイタンに連れられるようにティファニーもやってきました。
それなりに仲良くやっていたように思われました。
兄妹にそれぞれの食事を与えました。ティファニーはそのきれいな顔から想像できない様な豪快な食べっぷりでした。
食事の後は健康的なウ○チもしました。健康面はこれでOKです。

それから数時間後、私がパソコンにむかっていると兄妹達は私の足元でつろいでいました。
するとタイタンがまるで母猫のようにティファニーの毛づくろいを始めたのです。ティファニーもとても嬉しそうにしていました。
「もしかしたら、この兄妹ってとても仲良しなのでは?」


そして、タイタン&ティファニーの仲良し兄妹の生活が始まったのでした。

 



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